社会人10年目の私が先輩たちから学んだ金言集
早いもので、今年で社会人生活10年目を迎えました。
今の私が、まわりから多少なりとも「仕事ができる人」だと認識されているのは私を鍛えてくれた諸先輩方のおかげだと思っています。
グッドパッチ社内でもたまに語っていることもありますが、私を成長させてくれた数々の言葉をあらためてここでまとめておきます。
将来の転職を考えることで自分に足りないスキルが見えてくる
採用面接などでよく「5年後10年後の自分について語ってください」ということを聞かれることがありますが、そんなことは想像できないという人は多いと思います。
特にウェブ業界は流れも早いので、未来のことなど簡単に想像できるわけありません。
しかし一方、成長のためには「自分がどういうスキルを伸ばしていくべきか」ということは仕事をしているうえで普段から意識しておく必要があります。
それを考えるきっかけにできるのがこの言葉です。
将来的に「あの会社に入りたい」と思えるような会社があれば、そこに入るのに今の自分ではどんなスキルが足りないかを具体的に考えられる、という話です。
日本では転職をネガティブなことに捉えがちなので「転職なんて!」と思う人もいるかも知れませんが、考えるだけでも良いんです。実際に今々から具体的に転職を進める必要もありません。
例えば、グーグルに入社するためには自分には何が足りないのか、あるいはアップルやピクサーで働くためにはいま自分はどんなことを勉強すべきか。それが見えてくるかと思います。
自分の専門性が特に無かった若いときに、この言葉を聞けていてとても良かったと思っています。
ロールモデルとなる人を見つける
似たような話で、一緒に働くメンバーのなかに「こういう人になりたい」と思える人がいればその人と自分のスキルを比べるのも良いでしょう。
もちろん、その人すべてを自分が模倣する必要はなく「この人のこういう部分を身につけたい」と思えればと良いと思います。
まぁ、そんな人がいるかどうかは運次第ってのもありますが。
上司に恵まれた若い人はとても幸運だと思います。
ちなみに私が若い時に一時期参考にしていたのは、今ではヒロシマ・アーカイブなどで有名な首都大学東京の渡邉英徳先生でした。
hiroshima.mapping.jp
ある会社で一緒に働いていた時期があり、彼は当時「自分の会社の社長をやりながら」「学校で先生としてものを教えながら」「SFマガジンの挿絵をたまに描いたり」ということをやっており、ビジネス・教育・アートにまたがって仕事をするその姿は私の憧れでした。
ピンチのときとチャンスのときだけがんばれ
この言葉は職場の先輩というよりは、高校時代にラグビーをやってたときに先輩に言われた言葉です。
若い子を見ていると、全てにがんばりすぎて大事なときに失敗しちゃうダメな人がいます。
普段から10割の力を出していると、本当に大切なときに力が出なかったりします。
そもそも私が「がんばる」ことが苦手なこともあって、そんなに長いことがんばれません。
(たまに無尽蔵にがんばれる人もいますが、それはそれで才能の1つとは思っています。稀有な才能ですが。)
「いつがピンチでいつがピンチじゃないのか」「いつがチャンスでいつがチャンスじゃないのか」、優秀な若い子を見てるとこれの見極めが上手いように感じます。
私よりもさらにおっさんがたからは怒られそうな話ですが、平たく言うと「サボりどころを見つけろ」ってことです。
飲み会の次の日だけは遅刻すんな
これも似た話。
普段から遅刻するな、という話ですが飲み会の次の日は特に。
飲み会の次の日に遅刻する人の印象は最悪です。一方、普段ちょこちょこと遅刻していても会社の飲み会の次の日にしっかりと朝早く来る人は意外と好印象だったりします。
ここ一番でがんばらなければいけないところは見極めましょう。
コンピュータは繰り返し作業が得意だから、自分が何かを繰り返してやっているときは間違ってると思え
効率厨なので。
早く仕事片付けて早く帰りたい人なので。
これを意識するだけでも無駄な時間はかなり減らせます。
気持ちを切り替える何かをもっておく
気分が優れないときに仕事をしても、本当に効率が悪いです。
そのまま仕事するのはかなりムダが多いので、気分転換するのが一番。
俗にいうスイッチングとか言うやつですね。
私は仕事でかなり疲れたときや、逆に大きな仕事を終えて放心状態のときにはいつもハーゲンダッツを食べることにしてます。
ある種の儀式。
気分を上向きにさせることだけでも仕事はかなりはかどります。
問題と気分は違う
これに似た話で「問題と気分は違う」という考え方も好きです。
これは先輩から学んだ言葉ではなくて、たしか精神科医の春日武彦さんが言っていたことですが。
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彼いわく、どんなに大きな問題を抱えていても、その問題と気分とを切り離して考えることが大事らしいです。
問題を解決することは往々にしてかなり大変なことですが、気分を解決することは意外と簡単にできちゃったり。
上に書いたハーゲンダッツもそうですね。
このあたりの話で言うと『からくりサーカス』のこの言葉も大好き。
この言葉を私は「よくよく考えると人生において泣くべきときなんてほとんどない。それに気づいたならしっかり笑っとけ」みたいな感じで解釈して座右の銘の1つにしています。
仕事を効率良く進めるのに気分は本当に大事。
ボールを意識して、できるだけ自分で持たないようにする
タスク管理の話です。
私にGTDを教えてくれた先輩に最初に言われたのがこれ。
仕事を各タスクに分解したときに「いま誰がそれに責任を持っているのか」をしっかりしとくようにと言われました。
先日の記事では書きそびれましたが、まずは宙に浮いたボールが無いように、そしてできるなら自分のところにきたボールはすぐに処理して他の人にまわすようにという意識は、私がタスク管理をしていくうえで基本に置いていることです。
migi.hatenablog.com
マナーは武器になる
今年の頭に、引越しのためにお部屋を片付けていたらこんなメモを見つけました(字が汚いのは気にしないで……)。
「マナーは相手のためにあるが自分の武器になる」。良い言葉ですね。
新卒で入った会社の研修メモです。
ベンチャー企業で働いていると、基本的なビジネスマナーがなおざりになっている人をよく見ます。
もちろん、ラフなコミュニケーションの方が話が進みやすいという側面もありますが、ポイントポイントで「この人はしっかりした人なんだな」という印象を与えておくだけでも信頼感が変わってきますし、いざ大手の会社の人との打ち合わせがある場でマナーがなっていないとそれだけでマイナスの印象を持たれてしまう可能性もあります。
日本のビジネスマナーなんて本当にバカみたいなものも多いですが(相手に対する攻撃の意志がないことを表すために手を組むときは右手の上に左手をかぶせる、などなど)、自分の武器の1つとして学んでおくのは有効だと思います。
はじめに「ちゃんとしたヤツだ」と思われれば後が楽
同じく、新卒研修のときに衝撃を受けて今だに記憶に残っていることがあります。
外部の会社から先生が来て、丸一日かけてのマナー講習がありました。
その先生はさすがにマナーの先生らしくきっちりとした格好できっちりとしたしゃべり方で、堅苦しい一日になりそうだと思ったのを覚えています。
しかし実技ロールプレイも交えて進むその講習は意外と楽しく、午後にはみんなで積極的に取り組むようになっていました。
最後に先生が言った言葉が印象的です。
私が徐々にラフになっていっていたことにみなさん気づきましたか?第一印象で「この人はしっかりした人だ」という印象を持たれていれば、後からラフになっても「本当はしっかり人なのにこっちに合わせてがんばってくれている」「情熱的に仕事を進めてくれている」と思われます。しかし、それが最初からラフな振る舞いで案件が炎上したときにいきなり姿勢を正しても「なんだこいつは。いきなり真面目っぽく振る舞いやがって」となりがちです。はじめに「この人はしっかりした人だ」と思われるとその後の仕事が進めやすくなるのでみなさん大事にしましょう
それを言われて、午前中にはスーツもネクタイもビシっと着こなしていた先生がいつの間にかジャケットを脱いでネクタイも緩めて講習をしていたことに気づいたことを覚えています。
会社の数だけ社会の常識がある
とはいえ、いろんな会社を経験してると、その会社ごとにいわゆる「社会の常識」があってそれぞれで言っているマナーが違うこともしばしばあります。
名刺の渡し方ひとつとっても正反対のことを言われることもありました。
マナーはしっかりマナーと学びつつも、基本に立ち返って「相手のことを考える」ことを絶えず念頭に置いておきましょう。
売れているものを軽んじるな
AKBやワンピースやソシャゲなど、マスで売れているものは馬鹿にされがちな印象があります。ちょっと斜に構えて。
しかし、売れているものにはそれなりの理由がしっかりとあって売れているので決して馬鹿にしてはいけない、って話です。
先日のニュースで、クラクラとかヘイデイを作っているSupercell社の売上が凄いことになっているみたいな話もありましたがそれも同じですね。
gamebiz.jp
社員180人でこの売上。社員1人あたり1ヶ月で1億円くらい稼いでる。恐ろしい。
こういうの「ソシャゲだから」と馬鹿にするのではなくて真摯に受け止めて、その理由を探るのはちゃんとやった方が良いです。
売れている、ということはそこにお金を落とすユーザが多い=ビジネスとして成功しているということなので、馬鹿にせずに自分も1ユーザとなって学ぶべきとことはしっかり学ぶべきということを前職のソシャゲの会社の社長から言われました。