it's an endless world.

グロースをデザインするひと

『行動経済学の逆襲』を読みました。 【積読本 Advent Calendar 2017 21日目】

この記事は積読本 Advent Calendar 2017の21日目の記事です。

予約は早々に埋まっていたと思うけど、ここまでみんな書いてなさすぎワロス
f:id:headless_pasta:20171220131802p:plain

テーマがテーマだけに真っ当な気がしないでもないが。


私が読んだ本

この本を読みました。
先週末に必死で。

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲

今年、ノーベル経済学賞(正式にはノーベル経済学賞はなくて、アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞というらしいが)をとったリチャード・セイラーの本です。

リチャード・セイラーノーベル賞を受賞してから行動経済学という言葉が徐々に広まりはじめている気がします。
実は私も今年の春先くらいにこの学問のことを知りかなりハマってまして。

「これは絶対に読まなきゃ!」と思いながらも先延ばしにしていたところ、この積読本 Advent Calendarのおかげでようやく読めた感じです。

そもそも「行動経済学」とは?

Wikipediaさん、かもん。

行動経済学(こうどうけいざいがく、英: behavioral economics)あるいは心理学と経済学(しんりがくとけいざいがく、英: psychology and economics)とは、心理学的に観察された事実を経済学の数学モデルに取り入れていく研究手法である。

行動経済学を理解するためには従来の経済学が「徹底的に合理的な経済人をモデルとして成り立っている」ということを理解しておく必要があります。

経済学は経済学で素晴らしい学問だとは思いますが「でもなんだかんだ言って人間って常に合理的な選択をするとは限らないよね」という弱点があり。

経済学が「誤差だよね、それ」と言って目を瞑ってきたその弱点のことをしっかりと考えていこうというのが行動経済学の本質であると私は勝手に考えています。

私がなぜ惹かれたか

行動経済学の範疇である「結局、人はどのように行動するのか?」という問題は私の仕事の範疇でもあり、私の興味の最たるものでもあるからです。

大昔に書いたこの記事内でも言いましたが、私の仕事は「ユーザの行動をデザインする」ことだと考えています。

migi.hatenablog.com

「こういう機能を入れたらユーザはどう行動するのか」「こういうUIだとユーザはどう行動するのか」「こういう数値バランスだとユーザはどう行動するのか」という考えに対し、多くの刺激を得られるのがこの行動経済学です。

この本について

ようやくこの本のお話。

ぶっちゃけ、ただ単に行動経済学について学びたければこちらの記事でも紹介しているダン・アリエリーの『予想どおりに不合理』の方が面白いかも知れません。

goodpatch.com

私の中ではまだ母数が2(リチャード・セイラーとダン・アリエリー)なのでなんとも言えないですが、行動経済学を学んでいる人は奇特な人が多いようでどちらの本も面白く読めます。
ただ、単純な面白さで言うとダン・アリエリーの本の方が面白いかも知れません。

単純な面白さはそうですが、『行動経済学の逆襲』は次の2点で勝っていると言えます。

  • 著者の自伝的な要素もあり、伝統的な経済学との戦いの中でどのように行動経済学の重要性を知らしめてきたかがわかる
  • 『予想どおりに不合理』の方にはあまり例が多く出ていなかった、実際のビジネスの現場で行動経済学を利用した例がいくつか出てくる

『予想どおりに不合理』を読んでさらに本質に迫りたい方にこの『行動経済学の逆襲』をオススメしたいです。

ともあれまずはこの動画を

行動経済学のことを知りたければ、とりあえずダン・アリエリーの有名なこのTEDの動画を見るのが一番良いと思います。


ダン・アリエリー:我々は本当に自分で決めているのか?(2008)

たまに見返すけどやっぱり面白い。

おまけ

この時期にアドベントカレンダーに記事を書くときに毎年毎年言ってますが、今週末12/23は私の誕生日です。

いつのまにか35歳。来年は久しぶりの歳男。

そんなおっさんに何かプレゼントしたいという方がいらっしゃったらplz

https://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/3I7LF4VEPKBA2/?sort=priority