ボドゲレビュー『パンデミック:クトゥルフの呼び声』
協力型ボードゲームの金字塔とも言われる『パンデミック』のクトゥルフ版が先日発売されました。
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2016/08/04
- メディア: おもちゃ&ホビー
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もともとパンデミックは大好きなゲームだったし、(めちゃくちゃ詳しいわけではないけど)クトゥルフも好きなので即買い。
昨日お家に届いてさっそく嫁とプレイしてみたので軽くレビューしておきます。
総評
結論から言うと、かなりの良ゲーでした。
そもそもパンデミック自体がそうそうたる受賞歴がある良ゲーなんですが、個人的にオリジナル版よりこっちのがちょっと好きかも。
まったくもってクトゥルフ神話がわからない人と一緒にやるのはちょっと辛いかも知れませんが、逆に言うとちょっとでもわかる人とだったらオリジナル版ではなくこっちの方をプレイしちゃいそうです。
ルール(基本)
以下、簡単なルールをば。
オリジナル版のパンデミックは、その名のとおり世界中に広がっていく新型ウィルスに対してそれぞれのプレイヤーが協力しあってウィルス駆除・ワクチン開発を行っていくゲームです。
一般的なボードゲームは各プレイヤーが戦いあって勝者(あるいは敗者)を決めることを目的としていますが、パンデミックでは「全員が勝つ」「全員が負ける」のどちらかしかありません。
(拡張版で「バイオテロリスト」という人類の敵としてのプレイヤーも作れますが)
4つの新型ウィルスのワクチンをすべて作りきることができれば全プレイヤーの勝利、一定回数のアウトブレイクやある閾値以上のウィルスが世界中にばらまかれてしまうと全プレイヤーの負けです。
それに対し、今回の『パンデミック:クトゥルフの呼び声』では邪教の信徒やショゴスを撃退しつつ旧支配者の目覚めを阻止することが目的となります。
街の4つの「ゲート」をすべて封印できればプレイヤーの勝利、クトゥルフが覚醒してしまったり邪教の信徒やショゴスが街中に溢れかえってしまったらプレイヤーの負けです。
また、全プレイヤーが狂気状態になっても負けとなります。
ルール(詳細)
勝利条件・敗北条件
勝利条件は先述のとおり、4つの街にそれぞれあるゲートを封印することです。
各街のゲートに行って各街に対応した「手がかりカード」を5枚消費することで封印は行えます。
敗北条件は次の4つです。
役職・狂気状態
オリジナル版と同じく各プレイヤーが様々な役職の中から1つ設定されます。
役職は「探偵」「医師」「ドライバー」「ハンター」「魔術師」「隠秘学者」「記者」の7種類。
それぞれに特殊能力があります。
また、一定条件で発生する「狂気状態」になった際にはその能力も変化してしまいます。
例えば「ハンター」はオリジナル版の「衛生兵」に似た役職で1アクションでその場の邪教の信徒をすべて撃退できますが、狂気状態になると移動とともに邪教の信徒を呼び寄せる怖い存在になってしまいます。
個人的に一番面白い役職だと思ったのは「隠秘学者」。
オリジナル版で言うところの「ウィルス」を移動できるのは楽しそう。
プレイヤーの行動
オリジナル版と同じく大別して「移動行動」と「特別な行動」があります。
以下に紹介するいずれかの行動を組み合わせ1ターン中に4回の行動ができます。
- 移動行動
- 歩く
- オリジナル版と同じく、隣の場所に移動します
- バスに乗る
- マップ上のバスが書かれている場所から「手がかりカード」を消費して移動します。
- オリジナル版の飛行機で移動みたいなもの。
- ゲートの使用
- まだ封印されてないゲートから別のまだ封印されてないゲートに移動できます。
- 移動後、正気度ロール(後述)発生
- 歩く
- 特別な行動
- 邪教の信徒の撃退
- オリジナル版のウィルス駆除みたいなもの。1アクションで1人の邪教の信徒を排除
- ショゴスの撃退
- 3アクション消費する必要あり
- 撃退すると遺物(後述)をゲット可能
- 遺物カード・手がかりカードのやりとり
- オリジナル版と同じく、やりとりする手がかりカードはそのカードが表す街の同じ場所に両方のプレイヤーがいる必要あり
- ゲートの封印
- その街の手がかりカードを5枚消費してゲートを封印
- ゲートにいるときに使用可能
- 邪教の信徒の撃退
カードドローフェイズ・召喚フェイズ
4つの行動のあとにカードドローフェイズ。
手がかりカードをプレイヤーカード山札から2枚引く。
オリジナル版の「エピデミック」と同じく、プレイヤーカード山札に全4枚入っている「邪悪の胎動」カードをドローしてしまった場合は「正気度ロール」「旧支配者の覚醒」「ショゴスの配置」「召喚カード捨て札の復活」あり。
召喚フェイズはオリジナル版でいうところのウィルス拡散フェイズ。
山札をめくってそのカードが示す場所に邪教の信徒を配置。
邪教の信徒がすでに3体いる場所にさらに配置することになったら「覚醒の儀式(旧支配者を1体覚醒させる)」が発生。オリジナル版のようなアウトブレイクは無し。
召喚カードには「ショゴスの移動」マークがついているものがあり、これがめくられた際はショゴスが一番近いゲートに向かって1歩移動。ショゴスがゲートに到着してしまっても「覚醒の儀式」が発生(その場合、ショゴスは消える)。
簡単なプレイログ
嫁と2人でプレイ。
初プレイだったこともあり、難易度は説明書に書いてあった最低難易度(入門ゲーム)でスタート。
役職は嫁が「探偵」で私が「ドライバー」でした。
「探偵」はオリジナル版でいう「科学者」でゲート封印に必要なカード枚数が1枚少ないという特徴を持っており、「ドライバー」は1回の徒歩移動で2マスまで移動できる能力を持っています。
この2役だったので、嫁ができるだけカードを集めてゲート封印を目指し、私が各街を移動しまくりながら邪教の信徒やショゴスを撃退していくという基本方針をとりました。
スタート時点ですでにキングスポートが危ない感じでショゴスもゲートそばにいたため私がそっちを処理しにいくことに。
しかし、ショゴス退治が間に合わずにゲートに入られさっそく覚醒の儀式が発生してしまいました。
しかもその直後に邪悪の胎動が発生し、次にショゴスが発生したのがインスマス。
これはやばいと感じ私が手持ちの遺物「結界で守られた箱」と「地球外の彫刻」を利用し、アクションを増やしてすぐにショゴスを撃退しました。
遺物の使用とショゴスとの対峙には正気度ロールが通常は発生しますが「結界で守られた箱」の効果でどちらも無視できました。
そうこうしているうちに嫁がインスマスの手がかりカードを4枚集めてゲートを封印。
そして嫁はそのまま遺物「古の印」を使用してインスマスの平和を築き上げました。
これがうまく行って、その後ショゴスの召喚先にインスマスが指定されることが何回かあったんだけど、「古の印」の効果でうまく免れることができて徐々に優勢に。
旧支配者「ハスター」覚醒時にショゴスが一体も配置されてなかったことも。
そんな感じで順調に進んでいると思われましたが、旧支配者「アザトース」が覚醒して邪教の信徒切れになりかけたり、「イタクァ」が覚醒して嫁の移動が制限されたりとけっこう苦戦。
嫁が一度だけ狂気状態になりましたが、直後に遺物「カダスの歌」を引いてすぐに正気を戻せて事なきをえました。
最終的にはプレイヤーカード切れ負けの直前に4つのゲートをすべて封印してなんとかクリア。本当にギリギリ。
あと1ターン遅かったらゲームオーバーでした。
最後に
初プレイで勝てたのは良かったけど、かなり引きが良かったのにかなりギリギリな勝利だったのも悔しい。もっと最善手があったんだろうな。悔しい。
各旧支配者に能力がついているのもオリジナルの拡張版の「猛毒株」っぽくて毎回のプレイのたびに作戦が変わってきそうで楽しみ。そもそも、役職もそれぞれ尖っているのでどの役職になるか、どの役職が組み合わせられるかでも作戦が大きく変わってきそう。
今回はとりあえず嫁と2人でやってみましたが、次は友だち呼んで4人でもプレイしてみたいです。やろう。
飽きるほどパンデミックを遊んでる人でも楽しめそうだし、クトゥルフは好きなんだけどパンデミックはやったことない人にもオススメできる良いゲームだと思います。
オリジナル版よりルールはちょっと煩雑になっているはずなのに、原因はわかりませんがプレイ感としてはむしろオリジナル版よりすっきりしていたのは驚きでした。
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2016/08/04
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