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グロースをデザインするひと

ウィーンで電動キックボードシェアサービスのLimeを使ってみた

今年もウィーンに来ています。一年ぶり。

ウィーンの街を見ていてこの一年で大幅に変わったのがこれ。

電動キックボードシェアサービス
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こんな感じで、街なかのいたるところで電動キックボードを見かけるようになりました。

最大手の「Lime」がちょうど去年私がウィーンから帰ってきた頃にサービスを始めたみたいで。

www.li.me

どうやら流行りまくっているらしく、冒頭の写真の通りLime以外にも「TIER」「Kiwi」「Circ」と多くの会社が参入しているようです。

www.tier.app

kiwiride.at

goflash.com


私がもともと電動キックボードというガジェットに興味があったのもあり、Limeが日本に参入&KDDIが出資するというニュースが最近あったこともあり、今回の旅でちょっと使ってみたのでその感想を少しまとめておこうかと思います。

jp.techcrunch.com

japanese.engadget.com

使い方

とりあえず、使い方。

アプリがあるのでそれをダウンロードします。

Lime - Your Ride Anytime

Lime - Your Ride Anytime

  • Neutron Holdings. Inc.
  • Travel
  • Free
apps.apple.com

(いま気づいたけどAppStoreのスクショの一枚目、なんかインド映画っぽさあるな……。)

トップのUIはこんな感じ。周辺にあるキックボードとその充電量がわかる。
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メニューからウォレットに入金。ApplePayで入金。
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トップから乗りたいキックボードアイコンをタップするとこんなUIに。
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「Ring」を押すとキックボードから(クソでかい)音がするので複数台が並んでいるときでもわかります。

「Scan to Ride」をタップしてハンドルのところにあるQRコードを読み込むと使えるようになります。
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初回は、乗り方のオンボーディングがありました。(スクショ忘れた)

まぁ、乗り方って言っても上記写真の右ハンドルについているアクセルを押して進んで、左ハンドルのブレーキで止まるだけです。
スケボーとか他の乗り物に比べてキックボードは練習なしですぐに乗りこなせるのは良いですね。

乗り終わったら、またアプリから利用完了のボタンを押すだけ。

お値段は使い始めに€1プラスに1分あたり¢20で計算しているみたいです。

利用履歴のページを見ると、こんな感じの距離でこんなお値段。
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良いなと思ったところ

利用方法がお手軽

上記の使い方のとおり、使い始めまでが非常に楽です。
私の場合は日本でアプリを落としてウォレットにお金を入れるところまでやっていたので、本当にすぐ乗れた感じ。
ApplePayに対応しているおかげでクレジットカードの登録いらず。

なんなら、メールアドレスや名前の登録も初めて使い終わったあとに促された感じでした。
(登録するとウォレットに少しお金が追加されてた)

歩くよりも4、5倍早く移動できる

アクセル全開にすると簡単に時速20kmまで行きます。思ったよりしっかりとスピード出る。
自転車には負けますが、風を切る感じを味わえるぐらい。

ウィーンの街なかを走るのはさすがにめちゃくちゃ気持ち良いですね。

GoogleMapsの経路の選択肢に出てくる

海外旅行するときの移動手段の選択は基本的にGoogleMapsだよりなんですが、経路の選択肢にLimeも出るようになったようです。
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www.vienna.at

これは確かに助かる。

気になったところ

キックボード自体の問題

右手のアクセルの角度が微妙でちょっと腕が痛くなります。
ちょっとした段差とかでこぼこ道の場合はしっかりとハンドルを握っておかないと危ないんですが、しっかりとハンドルを握るとアクセルのせいで親指が痛くなるというジレンマ。
そして、左手のブレーキ以外に、後輪にも踏んで止めるやつ欲しい。普通のキックボードにはたまにあるやつ。

当たり前の話ですが、そうやって左右の手が塞がるので最近買ったOsmo Mobile3の出番は無かったです。
まぁ、左右の手を塞ぐことでながら運転を阻止しているデザインの可能性もありますが。もしそうだったら良いデザイン。

冒頭の画像の通りCircのやつにはハンドルのところにスマホを固定するオプションがあったのでそれはあったら嬉しい気も。
大概はGoogleMapsを参考にしながら運転することになるので。
しかしそれもよそ見運転の事故防止のためにわざとつけてないのかもとも思いますが。

あと、GPS精度のせいか、置いてあるはずの場所で見つからないことがしばしば。
前述の通りクソでかい音を鳴らすことはできるのに、それでも見つからなかったり。

値段設定

値段はちょっと高めですね。
ウィーンの自転車シェアサービスの方は1時間以内の利用は無料だったりするし。
migi.hatenablog.com

公共交通機関が使える場合はそっちの方がたぶん安い。
そもそもが「ラストワンマイル」を狙ったサービスなので、公共交通機関を使えるときはそっちを使えよという話もある。

しかし、ウィーンは公共交通機関が発達しまくってるという。

安全性

キックボード自体の問題と被るところもありますが、徒歩よりも危険度は高いとは思います。かなり。
時速20kmが余裕で出せるなかで、車輪が小さいので段差やデコボコ道には超弱い。
簡単に乗りこなせるとは言っても気を抜くと簡単にこけそうな気もします。

チェコプラハでもサービスやってるらしいけど、あの石畳の多さと坂の多さはかなり無理があるんじゃないかと思っている。

日本でどうなの?

これらの話を考えると日本でのサービス辛そうだなー、と。
やってる側は百も承知でプロジェクトを進めているんでしょうが。

ウィーンみたいに自転車道が整備されてると走りやすいけど、日本の街でまともに使える気がしないですね……。
特に東京。

そもそも現状だと法律的な問題があって、日本だと電動キックボードは原付きと同じで

  • ヘルメットが必要
  • ミラーやウィンカーが必要
  • ナンバープレートが必要
  • 自賠責保険が必要

らしいですし。

現状のママだと「気軽に乗れる!」という感じでは完全に無い。

電動キックボードは「自転車と違い、どんな服でも乗ることが可能」。バオ氏いわく、「性別や年齢を問わず乗りこなすことができるため、自転車と比べて女性の利用者の率が高い」。確かに、スカートを履いている場合やスーツをきている場合などには、自転車よりも電動キックボードのほうが乗りやすいだろう

https://jp.techcrunch.com/2019/07/31/lime-ceo-interview/

ヘルメット着用義務があった場合、このメリットは死ぬな。

法律の方を変える手もあるんでしょうが、前述のとおり安全性の問題はあるので、ヘルメットはもちろんあるに越したことはないし、ミラーやウィンカーもあったほうが安全だろうし、もしものときのための保険もあったほうが良いだろうし。

ちなみに、海外で使っていても初回利用のオンボーディング時に「ヘルメットつけたほうが良いよ!」とは言われます。



と、いろいろ言ってしまいましたが、実は今日一日で5回も使ってしまっているぐらい良いサービスではあるので日本でも上手く広まってほしいなとは思っています。
がんばれ中の人たち。

2019/9/18 追記

なんだかんだ言いながら、ウィーン、ブダペシュト、パリの3都市で合計18回、距離にして27.8kmもLimeを使ってしまったという事実。

やはり便利なのは便利だと思います。

ただ、パリのLime治安は悪すぎですね。
Limeに限らず他の電動キックボードシェアサービスもですが。

  • 自転車で走っちゃいけないところを走っている
  • 2人乗りをしている姿をしょっちゅう見る
  • 借りようと思ったらQRコードの部分がマジックで黒く塗られてしまっている

最後のはマジで謎。
誰得なの?競合他社しか得する存在なさそうだけど……。