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グロースをデザインするひと

『真女神転生4FINAL』をクリアしました。

game review

真・女神転生IV FINAL (2016年2月10日発売)

真・女神転生IV FINAL (2016年2月10日発売)

先々週に発売された『真女神転生4FINAL』を週末にようやくクリアしました。

クリア時のパーティはこんな感じ。
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プレイ時間は57時間ほどでした。

良いゲームだったので「システム」「シナリオ」「世界観」にわけて軽くレビューをば。

システム

『真女神転生3』以降、ペルソナも含めてメガテンシリーズに延々と使われている「プレスターンバトル」の仕組みは相変わらず優秀ですね。
dic.nicovideo.jp
個人的にはプレスターンバトルはFF4で発明された「アクティブタイムバトル」と同等かそれ以上のJRPGの大発明だと思っています

前々から持論として「RPGをプレイしている以上、そのプレイ時間のほとんどをザコ敵との戦闘が占めるわけで、そのザコ敵との戦闘をしっかりと楽しめるようなRPGは優秀なゲーム」というのがあるんですが、本当にこれ。
相変わらず、気を抜くとザコ戦でも死にかける。というか死ぬ。

プレスターンバトルはゲームバランスをしっかり取れるように作るのはかなり大変だと思うので、アトラスのゲームデザイナさんは本当に尊敬します。
弱点属性をつくことで戦闘は楽になるけど、敵を強くするために弱点をなくしてしまうとプレスターンバトルの面白みがなくなってしまう中、今回のラスボス戦は良いギミックを用意してくれていました。

特定条件で敵を倒すクエストも楽しかったな。『ぷよぷよ』に対しての『なぞぷよ』的な。ゲーム内では4問しかなかったけど、これ単体で100問くらい用意して延々と問いていきたい。

その他のシステムもちょこちょこと前作の『真女神転生4』から改良されてて気持よくプレイできました。

ただ、2点だけ苦言が。

まずは、ダンジョンを歩いているとたまに謎の力で捕縛されるやつ。Xボタン連打で抜けられるのですが、これの存在理由が謎。
「捕縛されているときに敵に襲われたらやばいな」と最初は思ってたけど、敵に襲われているあいだはなんか知らないけど敵は待ってくれてるし。
本当に意味はなく、ただウザいだけのシステムだったなー。

あとはラストダンジョンがクソすぎた
長すぎなんだよ。マジで。クソ長いダンジョンで有名な「FF3」のラストダンジョンの、体感で3倍以上は長かった。
しかも、その頃にはレベル上がっているために敵はほぼ襲ってこないので、ただ単にだだっ広いダンジョン(数々のギミック、行き止まり、ワープゾーンあり)をエンカウントもせずに延々と走り続けるだけ。数十分ものあいだ、本当にただ走り続けてた時間もあったな。
これだけはマジでいただけない。
2周目行きたいけど、こいつのせいでちょっと気が重いレベル。

シナリオ (ちょいとネタバレ注意)

とりあえず1周目は「絆エンド」と呼ばれるエンディングでした。
なんか、仲間たちとの絡みがかなりペルソナ(P3、P4)っぽくてなんかメガテンぽさが無かったなー。
「皆殺しエンド」とのギャップを見せるためにあえてそうしているのかもだけど。2周目は皆殺しエンドでいこう。

全体的なシナリオはふつう以上のものではありましたね。
カオスとロウがちょっとないがしろ感あったけど、今回はニュートラルの道を味わう作品だったんだろうな。

ラストバトルはかなり熱かったです。
そうなんや。オレたちはこの4人で神に挑みたかったんや(´;ω;`)

世界観 (かなりネタバレ注意)

このブログで一番語りたかったところは実はここ。

そもそも、前作『真女神転生4』の続編でとしてその世界観を共有している以上、素晴らしいのは当たり前ではあるんですが。
前作の、中世ヨーロッパ風の世界からの荒廃した東京の流れは本当に素晴らしいものでした。
廃墟となった東京が大好きマンであればここはもう充分に堪能できます。
(現実の東京も早く廃墟となれば良いのになー……。)

しかし、それ以上に語るべきは、本作において「真女神転生」の根源的な要素の核心に触れたことだと思います。

それは「悪魔(神)*1とはなんなのか?」という問題。
なぜ、人間とはべつに悪魔(神)が存在するのか、という問題です。

結論から言うとその答えは、人間のみが「観測する力」を持っていてそれによって悪魔(神)を規定している、という設定にあります。

ここで言う「観測する力」はSFものではたまにネタに上がるやつですね。
シュレディンガーの猫みたいな。人間が観測することによって事象が確定する話。
観察者効果 - Wikipedia
これもネタバレになってしまうけど、グレッグ・イーガンの『宇宙消失』もこれネタでしたね。

宇宙消失 (創元SF文庫)

宇宙消失 (創元SF文庫)

メガテンにおいては、人間が悪魔(神)を畏怖の対象として認識して崇めることで、悪魔(神)はどんどんその認識に近づいていき力を得る、ということになっていたようです。
唯一神(ヤハウェ)はそういう力を持つものとして人間を創造して自らを崇めさせており、(キリスト教でいうところの)悪魔も使って人の世を乱しつつそれを助けることでさらに信仰心をえているとのこと。
悪魔(神)は「観測する力」をもっておらず、だからこそ人間に干渉して信仰or恐れさせて自らの力を増大させようとしていた、と。
そういや、バスタードでもそんな話があった気がします。本編かベニ松の小説かは忘れたけど。

今回のラスボスは久しぶりにヤハウェです。
ヤハウェ唯一神とみなしたままでは倒すことはできないので、人間の持つこの「観測する力」を使ってヤハウェ唯一神の座から貶めることで倒すことができる存在と変化させた、というのが今作の肝ですね。
「神を貶めて別物にしてしまう」のはウガリット神話の神であるバアルが聖書においてベルゼブブという悪魔に貶められたり、日本土着の神であるところの国津神があとから来た天津神(天皇家)によって鬼や妖怪に貶められたりと、神話の歴史においてはよくあることですが、これを観察者効果と結びつけたのは面白い。

しかし、ここまで描いてしまったらペルソナなどの派生系作品ならともかく「真女神転生」のナンバリングはこれ以上は難しいんじゃなかろうか。
今作のタイトルの「FINAL」はもしかしたらそういう意味なのかも知れませんな。

おまけ

(ゲーム内設定)ローティーンの女の子にボイス付きでこんなこと言わせるなんて。
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すばらしい。

*1:メガテンシリーズでは神も天使も同じく「悪魔」という形で似たような存在として描かれます