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グロースをデザインするひと

『友だち地獄―「空気を読む」世代のサバイバル』

学校の先生をはじめ、若いコたちと触れ合う機会が多い人にはぜひ一度読んでもらいたい本。

友だち地獄―「空気を読む」世代のサバイバル (ちくま新書)

友だち地獄―「空気を読む」世代のサバイバル (ちくま新書)

「優しい関係」の中に自然発生する「空気」に強迫的に従って周りとの繋がりを保ちながら生活する現在の若者が感じてる「生きづらさ」について書かれた本です。
昔ブログにも書いた「日本の子どもは世界の子どもに比べてずば抜けて孤独感を感じている」という異常なデータ*1もこの本を読めばある程度は納得できるはず。


章ごとに、

など様々な事柄に触れられています。


第一章のいじめの話は本当によく出来ています。もし興味を持たれたら立ち読みでそこだけでも読んでみると良いかも。
「教室は たとえて言えば 地雷原」
いま学校の「クラス」の中で何が起こっているのかが、人間関係の対立の回避を最優先する「優しい関係」という切り口から存分に語られています。


あと、個人的には特にケータイの話が興味深かったかな。
「若者にとってケータイとは身体の一部である」っていうのはけっこうよくある論なんだけど、特に「触覚器官としてのケータイ」って視点からネイルアートとケータイアートの話をしてたのが面白かった。確かに似た感覚だな、と。
自分の精神的な内面が外部世界とじかに触れ合う触覚器官。メッセージが自分の身体にじかに届けられる感覚。そしてそこに求められる、強い身体性をともなった自己承認。
PCに来た嫌なメールとケータイに来た嫌なメールでは、ケータイの方が断然むかつくってのも言われてみれば確かにそうだ。
チームラボの猪子さんも言ってることだけど、iPhoneの個人的に嫌なとこはあのタッチパネル。ケータイなんてもうほとんど指の感覚だけで直感的に操作してるのに、タッチパネルだと一回それを目で見て理解してってなんかPCみたいに「向き合う」ような感覚が気持ち悪い。W-ZERO3EMONSTERなどのPCの延長のようなものならまだしも、日本的な「ケータイ」はここでも示されてるように「身体/感覚器官の延長」として進化していくことが求められると思う。



そんな感じで。
冒頭にも書いたけど、やっぱり特に教師やってる人にはぜひ読んでもらいたいな、と。
モバイルサービスとか若者向けコミュニティサービスやってる人にもオススメかも。


これに関連して博報堂生活総合研究所の人が書いたこの本もついでにオススメ。

10代のぜんぶ

10代のぜんぶ

オレも卒論に使ったんだけど、若いコたちのいろんなデータが納められてます。