2010 読書まとめ
昨年の上半期と下半期の読んだ本まとめに引き続き今年も総まとめしてみた。
去年は一月に10冊目標で読んでたけど今年は特に目標もたてずにだらだら読んでたので量は少なめ。通年でまとめ。
(↑クリックで一覧表がでます。)
今年の一番を選ぶとすれば飛浩隆さんの『グラン・ヴァカンス』と『ラギッド・ガール』になるかな。
- 作者: 飛浩隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/09
- メディア: 文庫
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- 作者: 飛浩隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
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仮想リゾート〈数値海岸〉の一区画〈夏の区界〉。南欧の港町を模したそこでは、ゲストである人間の訪問が途絶えてから1000年、取り残されたAIたちが永遠に続く夏を過ごしていた。だが、それは突如として終焉のときを迎える。謎の存在〈蜘蛛〉の大群が、街のすべてを無化しはじめたのだ。わずかに生き残ったAIたちの、絶望にみちた一夜の攻防戦が幕を開ける――仮想と現実の闘争を描く〈廃園の天使〉シリーズ第1作。
この超オレ好みの設定に惹かれて買って読んだんですがそのSF的な設定以上に、物語の凄惨さ+美しさに心を打たれました。
文体や展開の仕方も素晴らしくて、もったいないくらいに一気読み。久しぶりの「読み終わってしまうのが嫌だ」と感じられる作品でした。
作中で心に深く残った台詞をメモ。
「決めろ。『しかたがない』ことなど、なにひとつない。選べばいい。選びとればいい。だれもがそうしているんだ。ひとりの例外もなく、いつも、ただひとりで、決めている。分岐を選んでいる。他の可能性を切り捨てている。泣きべそをかきながらな」自分の人生哲学そのまんまの言葉。読みながらすごいシンクロ。
『ラギッド・ガール』の方は前日譚や規定現実のお話などなど『グラン・ヴァカンス』の周辺を描いた作品を集めた短篇集。
ただ説明的に描くだけではなく、それぞれの物語がSFとしてもファンタジーとしてもドラマとしても充分に楽しめました。
こちらも凄惨さと美しさはあいかわらず。かつ、物語と縦糸と横糸の織り合わせ方のセンスが非常に良かったです。
シリーズとしてこれからまだ続編もあるとのことなので非常に楽しみ。
漫画はみかんⓇさんの久しぶりの新作『その息が止まるとき』が僕の心にクリティカルヒット。
- 作者: みかん?
- 出版社/メーカー: コアマガジン
- 発売日: 2010/07/09
- メディア: コミック
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最後に。
あまり言いたくは無いんだけど今年の小林泰三さんは正直ちょっと残念でした。
今年だけで3冊も作品が出ててそれ自体はファンとしては非常に嬉しいのだけれど、中身は個人的に好みではない感じ。かなり。また来年に期待です。