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グロースをデザインするひと

ポニョ再考

昨日の地上波放送を受けての『崖の上のポニョ』の感想をtwitter2chでちらほら観てて評判悪すぎなのが、案の定な反面ちょっぴり悔しい。


個人的にはポニョはとても面白い作品だと思う。
詳しくは、映画館に観に行った直後に書いたこの記事(物語の不在と母)の通りだけど、今回も

  • ストーリー皆無
  • 内容が薄い
  • わかわからん

みたいな感想がたくさん見受けられた。


個人的にはそんなの、まともな物語を期待してマルホランドドライブを観るようなものですよと。
あるいは、どんだけハリウッド式脚本に冒されているんですかと。


そりゃあ主人公がいてヒロインがいてライバルがいてなんか困難があって一度挫折しながらもそれを乗り越えて最後には主人公の成長とともにハッピーエンド、みたいな起承転結があった方が「楽しみやすい」のはわかるけど、作品ってそれだけじゃないでしょうに。


なんとなく連想したのはこの記事。
http://mainichi.jp/life/food/news/20100205ddm013100131000c.html
美味しさには、油や炭水化物や糖分といった誰でも単純に味わえるものと、苦味みたいな鍛えなきゃ美味しく味わえないものがあるのに、今の若い子たちは、単純な美味しさしか感じられなくなってるそうだ。
別にそれで良いじゃんという考え方もあるかも知れんけど、サンマ焼いたときの内臓大好きな自分としてはちょっと残念に思う。


作品を楽しむ、ってのもそれに近い気がして、ハリウッド式の作品ばっかりだと単純な喜怒哀楽しか受け入れられなくなるのかなと思うと残念だ。


ダンス作品観て、あるいはもっと言うと芸術一般でもそれを観て「わからない」という事は簡単だし往々にしてあることだけど、だから「つまらない」とういことにしてしまうと非常にもったいない気がする。
その作品にはそれを作った人の内面が(伝えたいという気持ちの有無に関わらず)含まれているはずだし。


ということを踏まえて、世間一般がどう評価しようが私はあらためて「ポニョ最高」と叫びたい。