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グロースをデザインするひと

『アンラッキーヤングメン』

作画:藤原カムイ
原作:大塚英志
アンラッキーヤングメン

1960年代後半の日本。
あの時代の空気を煮詰めたかのようなマンガ。

物語に登場するのは(名前はアルファベット一文字や似た名前にされ明記はされてはいないが)永山則夫北野武永田洋子、川島豪、坂口弘三島由紀夫といった、まさしくあの時代を象徴する人物であり、また、連続ピストル射殺事件、三億円事件全共闘運動、東大安田講堂事件、エンプラ入港阻止闘争、三島事件よど号ハイジャック事件あさま山荘事件といった、まさしくあの時代を象徴する事件である。

今から40年前の若者が感じていた「生きづらさ」と現代の若者が感じる「生きづらさ」にはどんな違いがあるのだろうか。

私達が生きているこの「現在」に直結しているはずなのに、学校教育の中で何故かほとんど教えらず、知らない人が多いこの時代。
このマンガで多少なりとも味わえるのではないかと思う。


ちなみに原作者の大塚英志は『「彼女たち」の連合赤軍』を始めとした学生運動についての書籍を出したり、『MADARA』や『多重人格探偵サイコ』といった自らが原作とするマンガのノベライズの中で学生運動を語ったりもしている。