2009下半期 読書まとめ
2009上半期のまとめに続き下半期読書まとめ。
(↑クリックで表が出ます。)
2009年全体で読んだ本/観たDVDは総計で
- 一般書籍 (計56冊)
- 漫画 (計57冊)
- DVD (計36本)
ということに。頑張った!
今年一年を通してのベストの一冊を選ぶとしたら上半期まとめでも取り上げた伊藤計劃さんの『ハーモニー*1』しかやっぱりないかと。日本SF大賞の受賞、本当におめでとうございます。
今年は良いSF作品をたくさん読めた気がします。
下半期で言うとまずはロバート・チャールズ・ウィルスンの『時間封鎖*2』と『無限記憶*3』。グレッグ・イーガン臭さはどうしてもあるので比べがちですが、SF作品としての発想のスケールではイーガンに劣りながらも人間ドラマの描写という点ではイーガンに勝る書き手さんかなと。三部作最終話も楽しみに待っています。
イーガン臭さというところではもう一つ長谷敏司の『あなたのための物語*4』。こちらもSFっぷりではイーガンやテッド・チャンに劣りつつも(むしろこの二人と他の作家を比べるのが酷か)、良いストーリーを味わわせてくれました。良い恋愛小説w
あとは冲方丁の『テスタメントシュピーゲル*5』。去年の4月のブログでも軽く紹介している『オイレンシュピーゲル』『スプライトシュピーゲル』シリーズの新作。互いにリンクし合っていた両物語をついにまとめて完結編としてスタート。これまで以上に熱い/重い/痛い物語が展開されています。
冲方丁といえば上記『テスタメントシュピーゲル』とほぼ同時に発売された『天地明察*6』も素晴らしかったです。『ハーモニー』が個人的今年No.1ならこれがNo.2。
こちらはSFではなく時代小説。冲方丁あいかわらずのストーリー構成の熱さは時代小説になってもまったく損なわれず。
江戸時代の天文暦学者、囲碁棋士、神道家である渋川春海の伝記であるこの作品。Wikipediaにも情報が。めちゃくちゃ凄ぇよ、この人。「天文学」「数学」「囲碁」そのどれかに興味がある人であれば充分に楽しめるはず。角川から特設ページも用意されてます。
ラストシーンでの物語の締め方も秀逸。自然と涙が出てきました。