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it's an endless world.

グロースをデザインするひと

「サイエンスとフィクションのはざまで〜現実化する攻殻機動隊の世界〜」

鑑賞っていうか。
今日は早稲田大学まで行って講演を聴いてきました。


「身体メディア論」の授業の特別企画でこのタイトルで講演があるという情報を昨夜、彼女様から仕入れて急遽行ってみることに。
早稲田まで講演を聴きに行くのなんて6、7年ぶりですわ。
早稲田に足を踏み入れるのなんて、大学一年生の頃に大塚英志の講演を聴きに行って以来なんでホントに久しぶり。



今日の講演の講師は櫻井圭記という方で肩書きとしては「Production I.G.専属脚本家」なんだそうだ。
仕事としては攻殻機動隊のテレビシリーズのSTAND ALONE COMPLEXの脚本をやってた人だそうで。
東大の院の新領域創成科学研究科ってトコの修士卒業とともにProduction I.G.に入社というなかなかに謎な経歴。


STAND ALONE COMPLEXはオレも大好きな作品で(まぁ攻殻機動隊自体大好きなんだけど)、観ててけっこう自分の研究の分野に関わってくるところの話も多く出てくるんで学類の後輩にはよくオススメしてました。
身体論やら。情報メディア論やら。
作品の中で普通に大澤真幸が引用されてたりするしね。



今日の話の肝はエンハンス(人間の心身の拡張、サイボーグ論の話)やロボット論がメイン。
かと思いきや、個人的にはSTAND ALONE COMPLEXという概念の話が大きかった気がする。


テレビシリーズの攻殻機動隊のサブタイトルにもなってるこのSTAND ALONE COMPLEXという言葉ですが、オレ的な解釈はこんな感じ。

  • 多数のスタンドアローン(個人、孤人)がコミュニケーションによって繋がることでコンプレックス(複合体、集合体)としての性質を持ったもの。
  • その繋がり方には指向性・志向性がありその情報は動機無き他者の無意識、あるいは動機有る他者の意思の中に内包される。


書くと難しいかもだけど、実際の現象で言うと(ここも持論なんで解釈を間違ってるかもだけど)例えば最近よくあるブログ炎上とかが一番イメージし易いのかな。
特に誰かがけしかけたわけじゃなくても、あるきっかけである思想がその思想に触れた多数の人に頭にインストールされちゃって一気に燃え上がっちゃうとか。
それは、連携を組んでスクラム的に行われる場合もあれば、個人個人は全く別々に動いてるけど結果的に一つの指向を持ってる場合もあったり。


今日の講義の中だと、2chのスレッドとか板とかって、誰が先導した訳でもなく思想の方向性ができたり(ν速板のあの感じとか)マクルーハンが言うところのグローバルビレッジ(スレor板の独特のルールとか)が形成されたりって話が出てきてました。
あとはまさにニコニコ動画でのあの一体感とかね。
初音ミクとかアイマスの話とかも普通に櫻井さんの話に出てきてました。


これは別にネットだけの話じゃなくて、このニュースとかも同じ様な現象だと思う。
警官が絶叫 異様な雰囲気、渋谷スクランブル交差点
ワールドカップでの若者の異常な盛り上がりとかも同じ感じかな。
ネットがきっかけになったゴミ拾いオフとか折り鶴オフとかも同じ感じ。


社会心理学でも自己カテゴリー化理論ってのがあるけど、そこで言われる脱個人化とか内集団同一性認知とかに近いところかも。*1



でも、オレの視点としてはカテゴリー化というフォルダ構造な階層的なイメージじゃなく、まんま「タグ付け」してるイメージなんだけどね。
椎名林檎が好き」とか「ゾロ×サン」とか「嫌韓」とか「メガネ属性」とかの属性を自分にタグ付けして、んで同じ属性(タグ)を持つ人たちと集まってコミュニケーションしてる、みたいな。
別にこれは一般的に言うオタクだけじゃなくて、ガングロギャルとかも彼女らへのインタビュー資料みてるとまんまそうだよね、って思う。


この辺りは別に昔からもある話だけど、やっぱりネットがあるおかげで、属性が見えやすい(てゆーかネット上だと極論だと属性でしか自己表現できない)し検索性に優れてるおかげで繋がり易いしでこの性質がさらにエンパワーされちゃってる、と。
ポストモダンにおいて自己同一性が確立しにくく安定した関係性が築きにくい若者が自らを属性によってタグ付けして、そのタグの集合でキャラを作り自己を成り立たせ、そのキャラ同士で属性をフックにして他者との関係を築いている、とかオレの周りの人は耳が腐るほど何度も聴かされてそうなことも言ってみたり。
この辺の一番良い例がまんまmixiですが。


あ、いつの間にか自分の研究の話になってんな 笑



えーと。。
櫻井さんのお話で面白かったのは、櫻井さんはこの現象を「人称」の形から見いだそうそしてるトコ。
見いだそうというかは「人称」の問題がベースになってる感じでしたが。
「一人称」「二人称」「三人称」の話やら「主体」「客体」の話から
アイヌにも一人称複数と三人称を合わせた「四人称」という概念があるらしくその感覚をSTAND ALONE COMPLEXと重ねられていました。
mixiもmix+iだしな。
なんとなく感覚的にはわかったけど、詳しくは櫻井さんの著書『フィロソフィア・ロボティカ』*2に書いてあるらしいとのことなんで帰りに本屋で買ってきちゃいました。
これからもうちょい読みこんでみる。



ということで。
わざわざ早稲田まで行った甲斐が十二分にあった講演でした。
改めて、自分の研究の中でのSTAND ALONE COMPLEXという概念の重要さと攻殻機動隊の魅力を再確認できましたとさ。





なんかごちゃごちゃしちゃってんな、この記事。
梅田望夫さんの『ウェブ時代をゆく*3を今さらながら読んで、自分のブログでちゃんと自分の思想をどんどんアウトプットしていかなきゃな、とか思い中。
思いっきりアジられてるオレがいる。
むかし、尊敬する先輩にもアドバイスされたことなんだけどねー。


カテゴリに「研究」タグ追加しようかな。。
モチヴェイション上げられるかな。。
でもがんばらなきゃだな。。


なんだかんだで怠けまくってるんで、そろそろ本気出していろいろやらなきゃな気がしてきました。
がんがる(`・ω・´)

*1:対人心理学の視点

*2:フィロソフィア・ロボティカ ~人間に近づくロボットに近づく人間~

*3:ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)